朝鮮王朝宮廷料理

韓国の国家重要無形文化財第38号
「朝鮮王朝宮廷料理」

宮廷料理は最高の食材と優れた調理技術、そして至れり尽くせりのおもてなしが結びついて作り上
げた韓国最高の食文化の結晶です。現在の宮廷料理は、朝鮮王朝最後の二人の王様「高宗」と「純
宗」に仕えた最後の厨房尚宮である韓熙順(ハン・フィスン)尚宮(1代目人間国宝)から、黄慧性(ファ
ン・へソン)先生(2代目人間国宝)が受け継がれ、1971年「朝鮮王朝宮廷料理」が韓国の国家重要無形文
化財第38号に指定され、今日まで続いています。
黄慧性家の食文化は、宮廷料理への研究と伝播に一生を捧げた黄慧性先生から引き継がれ、子孫や
伝受生が6百年伝統の朝鮮王朝の気品と技を、誇りを持って継承しています。
今まで経験したことがない世界最高の健康料理である宮廷料理と、韓国固有の食文化を楽しんでい
ただける「チファジャ」に皆様をご招待いたします。

重要無形文化財制度とは?:

韓国の文化財庁では、様々な無形文化財の管理と安定した伝承のために「技能保持者」を指定し、
国で体系的に管理しています。

1代目技能保持者 「韓熙順」

朝鮮王朝最後の厨房尚宮から始まった伝授

朝鮮王朝最後の厨房尚宮である韓熙順尚宮は、13歳(高宗39年)に徳寿宮の厨房宮女になりました。
以降、宮廷の厨房尚宮として景福宮や昌徳宮を経て、王様である「高宗」と「純宗」の料理を担当
しました。純宗の継妃(2番目の妃)「尹氏」がもっとも大切にしたほど、宮廷料理に造詣が深い彼
女は、1971年に朝鮮王朝宮廷料理が重要無形文化財第38号に指定されることにより、1代目技能保持
者として認められるとともに宮廷料理を本格的に伝授し始めました。

たとえ言葉で調理法を説明し、自ずから料理を作りながら教える方法でしたが、「伝統宮廷料理の
脈をつなぐための橋を架けた」ということに大きな意味があります。

2代目技能保持者 「黄慧性」

宮廷料理の体系化により伝統の脈をつなぐ

1972年に韓熙順尚宮が死去し、黄慧性先生が彼女の後を継いで2代目技能保持者に指定されました。
黄慧性先生は、1944年から楽善斉の焼酎房(ソジュバン)で韓熙順尚宮から30年間宮廷料理の作り
方を学び、その実りで宮廷料理を重要無形文化財に指定されるように取り組みました。
特に、宮廷料理を計量化して調理法を整理する一方、宮廷料理とそれに関係する文献を調査・研究
し、宮廷料理文化についての学問的な背景と実際的な調理法の伝授に大きな役割を果たしました。
また、彼女の師匠である韓熙順尚宮の生前に、黄慧性先生は宮廷料理伝授機関として社団法人宮中
飲食研究院を設立し、宮廷料理の伝授教育と料理書の出版など活発な活動により、宮中飲食研究院
を、伝統食文化をリードする最高の機関として位置づけました。

3代目技能保持者 「韓福麗」

宮廷料理の趣きを広め、韓食のグローバル化を導く

韓福麗を始めとした技能履修者は、韓国各地で宮廷料理に関する専門家として活動しています。
宮中飲食研究院 ( 理事長韓福麗 ) による伝授教育はもちろん、様々な著述と韓国や海外の学会
活動・新聞・放送・雑誌などを通じて一般の方々に宮廷料理や伝統料理を広めながら韓食のグ
ローバル化をリードしています。
韓熙順・黄慧性・韓福麗につながる宮廷料理の脈は、昔の料理を始めとして、これに関わる伝統
食文化を復元して発展させることで、韓国宮廷料理の伝統を継承し、韓国の真の美しさを広めて
います。